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■■遠隔画像診断開業への道■■


■最低限必要なこと

1)画像診断能力があること:専門医であるなしにかかわらず、自他ともに認める(?)診断能力が重要。
2)自分の得意分野・不得意分野を認識していること:不得意分野について他の医師と連携できることが重要。
3)パソコンネットワークの知識があること:パソコンネットワークの知識と保守管理能力が重要である。
4)現在複数の施設で出張診断していること:出張診断している施設を遠隔診断に変更することが最も現実的。
5)400万円くらいの開業資金があること:自前のサーバーと診断システムに約100万円、医療施設ごとに約100万円必要。3箇所で300万です。

■第1ステップ:前提条件

●遠隔診断を始めたい施設で行うこと:CTないしMRIとパソコンで最も簡単なPear to Pear(1:1)のネットワークを組む。ここで問題となることは、モダリティー(CT/MRI)がDICOM対応かどうかです。ほとんどのCT/MRIはDICOM対応ではありますが、オプションの場合があります。この場合はDICOMボードとライセンス料金で300万円ほど必要ですので、各施設では新たな出費となります。。
●もしすでに機器がDICOM対応で、パソコンと接続するだけの環境がそろっていれば是非ネットワークを組んでみてください。

■第2ステップ:パソコンとソフトの選定

●パソコンにMACを選ぶかWINDOWSマシンを選ぶか、Viewer softを何にするかが大きな問題です。OSの安定性やスクリプトによる自動運転などはMACが勝ります。しかし画像ファイルをインターネット経由で送る場合、MACバイナリファイルの転送は問題が発生します。私は最初MACで開始し、現在サーバーはMAC、クライアントはWINDOWSとMACの混在環境で運用中です。
●パソコンは単に医療画像を見るだけなら、中級マシンで十分です。ただしモニターは良いものを使いましょう。私のソフトは現在POPnetおよびCanoViewerで構築しています。ソフトを選定すれば、業者が接続とパソコンの設定をしてくれますので、同席してある程度自分で理解しておく必要があります。

■第3ステップ:パソコン診断になれる

●上記設定ができましたら、施設に出張した際フィルム診断でなく、パソコンモニター診断を行いましょう。もちろん診断書もパソコンで作成します。私はファイルメーカーProを用いています。診断書には、重要な所見のスライス画像を埋め込みましょう。これがとても好評です。

■第4ステップ:自宅に画像転送するシステムの構築

●自宅と施設にADSL回線(電話兼用)を付設します。そしてそれぞれに多機能プリンター(FAXとプリンター兼用機)を接続します。
●最近インターネットに接続したパソコン同士で安全にファイルを交換するサービスがでてきました。ファイアーウオールを越えて大量のファイルを安全に送れます。(株)テクノブリッジの「MyDrive」や「GMOどこでもLAN」などがつかえるでしょう。両者を比較した結果「GMOどこでもLAN」が安定していました。
●画像を転送する以外に、リモートメンテナンスが重要ですので、パソコンにリモートコントロールソフトを導入します。私はTimbuktu(WIN/MAC)を導入しました。
●この時点で遠隔診断が可能です。すなわち、
1)依頼施設から診断依頼用紙をFAXしてもらう。
2)技師は医療機器からパソコンに画像を転送する。
3)診断医は自宅から施設のパソコンに接続して画像を受診する(1例約10分要します)。
4)転送された画像を読影して診断書を送る。
●至急診断も可能です。
1)至急診断を電話やメールで受け取る。
2)Timbktuで相手のパソコンを操作して、遠隔地のモニター内の画像を見る。ADSL同士で接続されても動きはやや遅いです。
3)FAXで仮診断を行う。

■第5ステップ:画像転送の自動化

●上記で診断可能であることを確認後、画像転送を完全自動化しましょう。自宅のパソコンから施設のパソコンにリモートアクセスし、特定のフォルダにある未診断画像を、自宅のパソコンに転送させます。「GMOどこでもLAN」を利用した場合は遠隔地のパソコンを共有フォルダ化できますので簡単なMSDOSスクリプトで転送可能です。
●定時の自動運転は、MACではアップルスクリプトで簡単にできます。WINDOWSではUWSCなどの自動化ソフトが種々考案されています。

■第6ステップ:簡易サーバーの構築

●自宅のADSL契約時に固定アドレスサービス(NTTの固定IPプラン)を申請して、自宅のパソコンを簡易サーバーにする方法があります。こうすれば医療機関のパソコンからインターネット網を通じて直接自宅サーバーに画像を送れます。この場合MACでFTPサーバーを構築する方法が最も簡単です。もちろんWINDOWSの画像ファイルも受け取れます。FTPサーバーソフトは"NetPresenz"が良いでしょう。MACサーバーのセキュリティーは大変高く、開業以来ハッキングはありません。
●ファイルのFTP転送ソフトはWINDOWSでは"小次郎"が、MACでは"Anarchie J"が良いでしょう。この環境で1台の自宅パソコンと4・5施設との間で大量の画像電送が可能です。
●運用コスト(通信費)は毎月自宅で約1万円、各施設で5000円程度です。
●画像漏出時のプライバシー問題を防ぐには、1)VPNの利用、2)画像を送る前に暗号化圧縮をかけるのいずれかが必要です。「Mydrive」や「GMOどこでもLAN」はそれ自体がVPNであり非常に安全です。

■第7ステップ:他の診断医との連携

●これも重要です。やはり画像診断を売り物にする以上、最良の診断をしなければなりません。専門外分野は他の診断医の意見を求めるべきです。すでに個人で遠隔診断を営業している医師が数名いますので、お互いに連携すべきです。上級医師の診断は画像サーバーにloginして診断する方法が望ましいですが、ADSLでは重くなります。したがってメールに画像を添付する方法が最適です。画像は圧縮DICOMが理想的ですが、W/Lを最適化した通常画像(8bit JPEG)でも十分診断できます。

■第8ステップ:本格サーバーの構築

●遠隔診断が軌道に乗ったら、光アクセスで本格サーバーを構築する段階になります。私はまだ契約数が少なく、その必要性が乏しいですが、ADSLを光に変更するのだけでなく、セキュリティーを含めサーバーそのものをレベルアップする必要があるでしょう。
●大きなサーバーを運営するより、小さなサーバーを分散して運営する方が故障時に安全と考えます。